亀井拓也 写真作品展 at カフェ・ド・アクタ

埼玉県川口市で開催しておりますカフェ・ド・アクタでの作品展も残すところあと二日となりました。ねこたちだけでなく、多くを語らず黙々と彼らの命を繋いできた方々も、報われる日がきっとくる。そんな過渡期である現代に変革への小さなログを残します。最終日は21日です。皆さまのお越しを心からお待ちしております。

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展示:亀井拓也 写真作品展
会場:カフェ・ド・アクタ
会期:6月13日から7月21日
営業時間:12時から19時
定休日:月火と第2第4日曜日
住所:埼玉県川口市栄町2-8-4
アクセス:京浜東北線 川口駅東口より徒歩7分


国登録有形文化財 旧田中家にて写真展を開催させていただきました。

この度は旧田中家住宅での写真展にお越しいただき、本当に有難うございました。主催のかわぐちアニマルサポートの皆さまや川口市職員の方々、また、一緒に開催案内を発信してくださった方々など、お力添え頂いたすべての皆様に改めて深くお礼を申し上げます。

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登録有形文化財 旧田中家は洋館・和館に分かれており、和館では屋久杉でつくられた天井、職人が生んだガラスには手作業ならではの凹凸がみられ、挙げればきりがないほど貴重なつくりが散りばめられています。

この建物自体がもう既にひとつの作品というわけです。さらに縁側からは、息をのむほどの日本庭園を見渡すことができます。

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今回は和館の日本間をすべて使用して、写真作品18点を展示させていただきました。その他にもイラストや掲示物を通して、おうちのない猫たちを取り巻く現状・なぜ猫たちは増えてしまうのか・川口市内で行われた実際のTNR活動の様子など、複数のテーマに沿って発信・啓発を行うことができたように感じています。

開催中は地元ラジオ局のFM川口でも取り上げてくださり、告知だけでなくラジオパーソナリティの方が実際に会場で感じたことなども合わせて発信してくださっていたことがとても印象的で有難かったです。そういった皆さまからのサポートのお陰で、来場者数は僅か二日の開催で239名と予想を大きく上回る結果となりました。ありがとうございます。

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こちらは、外の猫たちがみるみるうちに増えて地域住民たちが困っていき、周囲との意見交換を図りながら解決策を考えていくストーリー性のあるイラストボードです。かわぐちアニマルサポートに所属されているデザイナーさんが制作を担当しました。

予備知識のない方や小さな子どもたちにも分かるように、という願いを込めて作られています。その想いが通じたのか小学生や中学生も熱心に読み入り、メモを取ったり写真を撮ったり、とてもうれしい光景をみせてくれました。

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二日目には川口市の職員をお招きし、中核市としての方向性についてや市民の方々との意見交換などが行われ、今後のより良い地域の在り方を垣間見ることができたように感じます。私自身も現場での取材や撮影を通して目に映してきたこと・見解などを述べさせていただき、改めて今回の貴重な勉強の機会に感謝したい想いです。

私たちがテーマにしているこれらの問題は、単に猫だけの枠に留まらず、掘り下げれば掘り下げるほど、最終的には私たち人間の在り方に行きつくように感じます。根本の原因も解決の糸口も、どちらも間違いなく私たち人間の手にあるのです。だからこそ、行政が指針とするべき誠意ある旗を掲げながら、猫好き・猫嫌い・ボランティアと様々な立場の方々が少しずつ歩み寄ることから健全な前進はスタートしていくのでしょう。

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今後も、不幸な命が一つでも減ることを切に願います。そして、ほんの僅かなことであっても、常に考えながら自分ができる何かを見つけていくことができたら幸いです。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

亀井拓

川口市中核市移行記念 旧田中家住宅にて写真展が開催されます。

2018年5月26日から27日の二日間、国登録有形文化財 旧田名家にて写真展を開催させて頂きます。展示テーマは、猫です。埼玉県川口市は今年の4月から中核市となりました。そのため様々な事業変革のひとつとして、これまで埼玉県に委託してきた動物関連の事業を川口市で行うことになるわけです。

そこで今回の節目の時期に、地域の皆さまにも展示作品や掲示物を通して、身近にある小さな命が置かれている現状や背景を知っていただき、いっしょに考えるきっかけになるイベントができたらという想いで企画されました。主催は地元のボランティア団体、かわぐちアニマルサポートさんです。

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二日目には、川口市職員の方々にもご来場いただき、これからの市の在り方や皆さまとの質疑応答の時間も設けてくださっているため、より近い距離でのヒヤリングや意見交換が実現できるはずです。地域・行政・ボランティア、欠かすことができない三本柱が連携する新しい取り組みを体感していただけましたら幸いです。

また、今回地方誌や市内掲示板、地下鉄のホームなど、あらゆるツールを通して開催の告知をしていただきました。皆さまのご協力に感謝いたします。

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登録有形文化財 旧田中家での写真展開催は今回が初だそうです。子供から大人まで気軽に楽しむことができますので、ぜひご来場ください。お待ちしております。

亀井拓



「うちじゃ飼えないでしょ、すぐに戻してきなさい」のイメージをそろそろ返上しよう。

私たちの頭の中にいつからか刷り込まれた印象のようなもの。ふと何かについて考えたとき、それに対して思わず連想してしまう具体的な情景。今回はそんな「イメージ」について書いてみたいことがあります。

いきなり極端ではありますが、たとえば宇宙人。「ワレワレハ、ウチュウジンダ」という有名なあのセリフ、一度は聞いたことはないでしょうか。これの元ネタは、1957年に東宝が製作した「地球防衛軍」という映画だそうです。

宇宙人が侵略してくるストーリーの草分け的な作品で、独特の声色で発せられた例のセリフは当時かなりインパクトが大きかったのでしょう。その影響は、映画作品だけでなく雑誌やテレビなど様々なメディアを通して拡散され、長い時を経た今でさえ、私たちの頭の中に深く印象付けられています。

さて、このように漠然と根付いたイメージについて、ひとつどうも気にかかるものがあるので、いよいよここから本題に入っていきたいと思います。おそらくアニメやドラマからきているのだと思うのですが、それは主人公である子供が道ばたで行き場を失った子猫(または子犬) を拾って家に帰ったときのシーンにあります。

子供は「子猫がお腹を空かせていたよ、きっと行くところがないんだ、うちで飼っちゃだめ?」と母親にお願いするのですが、その母親はきまってこう言うのです。

「うちじゃ飼えないでしょ、すぐに戻してきなさい」

母親に一方的に叱られた子供はしょんぼり落ち込みながら、子猫に向かって「ごめんね、ママがだめだって言うんだ」と謝ります。

これ、私が小さいころから本当に印象が強いのです。
そこで思うわけなのですが、このイメージ、もうそろそろ返上してもいいのではないでしょうか。

小さな命に手を差し伸べた子供の優しさが、見事なまでの頭ごなし加減でくしゃりとねじ伏せられてしまう様は、観ている側の胸をぐっと苦しくさせるには充分です。また、こんなふうに叱って子猫を元の場所に捨ててこさせるなんてことをさせたら、子供心にどんなに深い傷を与えてしまうか分かりません。

そして、最も懸念されるのは、たとえどんな相手であろうと弱いものを助けるということはどこか後ろめたいものである、という印象を植え付けてしまうことになりかねない、というものです。

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「困ってた子猫に優しくしてあげてえらかったね。でもね、今うちじゃどうしても一緒に暮らせないの。分かってね。だからこの子がどうしたら安心して幸せに暮らしていけるか、お母さんといっしょに考えながら相談してみよう。」

というわけで、いつかこんな母親が出てくるドラマやアニメを観てみたいな、なんてこっそり思っていたりするわけです。そして、近い将来、人間の都合で描かれた視点だけでなく、どんな命であっても軽視されることのない心あるイメージが大きく広がっていくことを望みます。

それからさらにいえば、いつの間にか刷り込まれたイメージなんてものに左右されたりせず、常に物ごとの正しさを自分自身の考えで判断し、行動できる人間がひとりでも多く増えていくことを願ってやみません。そんなふうに私は考えます。


「飼い主のいない猫を考える」パネル展にみた先進の在るべき姿

埼玉県狭山市智光山公園にて開催されている、さやま猫の会さん主催の「飼い主のいない猫を考える」パネル展に行ってまいりました。

既に足を運ばれた方々の発信を見聞きして、伺う前からとても楽しみにしていたのですが、実際に拝見し想像以上に素晴らしかったので、では具体的になにがどのように良かったのかなどを、主観ながらいくつかピックアップしてお伝えしてみようと思います。

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会場には活動報告・飼い主のいない猫たちや幸せになった猫たちの写真作品などが盛りだくさんに展示されていました。多くの方々の想いが本当にぎっしり。

また、来場者さんたちの声を届けるためのメッセージスペースがあったり、手の込んだ小さな仕掛けがその他にもたくさん散りばめられています。手作りのチャリティグッズも根強い人気がありました。

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おそらく中学生でしょうか、中にはこんな素敵な展示も。「飼い主のいない猫たち」をテーマにした夏休みの自由研究レポートです。

このように若い世代の方々もきちんと現状に目を向け、私たちが今後どう変わっていかなければならないかを真剣に考えていることがよく伝わってまいります。可愛らしくまとめられていますが、内容はどれも無駄がなく的を射ており驚かされました。

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つづいては複数の写真家さんたちによる写真パネルをご紹介したいと思います。ボードの前に立ち、作品を拝見して、ひとつすぐに感じたことがありました。それは、どの撮影者の方々も普段からこの子たちを気にかけ、頻繁に会いにいき、日常的に見守っていらっしゃるにちがいない、というものです。

ねこたちの表情やパネルから、温かみを感じるのです。動物(命)を撮影するということはいったいどういうことか、その大切な根本を私たちに改めて教えてくれる、そんな作品の数々はまさに必見です。

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特に私が目を奪われ、しばらく見入ってしまった写真がこちらです。ぜひ皆さまにも見て頂きたい。ここまで刺さる幸せの報告があるでしょうか。

寒さや飢え、人間による虐待、様々な身の危険に警戒する生活から、家族として迎え入れられ、温かな愛情をたっぷり注がれるまでのこの表情の変化こそ、私たちが今心に刻まなければならない彼らからのメッセージではないかと思うのです。

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最後に、この啓発展示を拝見させていただいて何よりも素晴らしいと感じたことは、ボランティアの方々だけでなく地域・行政を合わせた三本柱がきちんと連携しているという点です。

狭山市が積極的にイベントの広報活動を行い、行政に携わる方々や市長自らも会場に視察やヒヤリングに訪れるこの体制は、まさしく今後のロールモデルとなりうる先進であり、あるべき姿だと感じます。

http://sayamainuneko2014.blog.fc2.com/blog-entry-173.html
会期は1月28日(日)が最終日です。27日・28日は合わせて譲渡会も行われます。また、園内にはこども動物園なども併設されていますので、この機会にぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

 

takuyakamei.hatenadiary.com

動物愛護先進国と日本の現状について

動愛法改正への署名期限が迫ってまいりましたので、この機会に改めて国内の動物愛護法について掘り下げてみたいと思います。また、日本の現状を海外との比較などと合わせ、できるかぎり簡潔にまとめてみましたので、お目通しいただければ幸いです。

【日本】
国内では1973年に「動物の保護及び管理に関する法律」が制定されています。遅いか早いかは個人の感覚によって様々かと思いますが、今からおよそ44年前の立法です。制定の発端となったのは、昭和天皇が当時イギリスを訪問されたことにあるようです。その保護対象は、当初から伴侶動物だけでなく実験動物や畜産動物も含まれていました。

そこから26年の歳月が流れた1999年、神戸連続児童殺傷事件がきっかけとなって改正案が可決され、「動物の愛護及び管理に関する法律」が成立します。さらには2005年、2013年と改正を経て、ネグレクト型虐待・殺傷型虐待・遺棄についてなどの法整備が成され、動物と人間の共生理念を示しながら、啓蒙活動の普及を図る姿勢も明確化されました。なお、2005年の改正時には、同法案は5年ごとに改正を検討することも定められ現在にいたります。※2018年は5年に1度の改正検討の年です。

ここで海外の国々との比較をしてみようと思います。動物愛護先進国とされるヨーロッパ諸国の現状は、日本と比べていったいどのようなものでしょうか。

【イギリス】
動物愛護先進国として挙げられる機会の多いイギリスでは、1822年に既に「家畜の残酷で不適当な使用を禁止する法律」が制定されています。その当時、日本はまだ江戸時代です。そして、1876年には「動物虐待防止法」、1911年には「動物保護法」、1951年には「ペット動物法」が成立し、大変厳しい罰則と共に動物愛護の基盤として当然ながら現在も機能しています。また、王立動物虐待防止協会も設立されており、動物福祉団体としては世界最古・世界最大の非営利団体として有名です。

【ドイツ】
ドイツでは1933年に「ライヒ動物保護法」が立法しています。さらに1990年には、「動物は物ではない」と民法改正が成されました。※日本国では2018年1月現在においても動物は法的に器物とされています。

犬を例に挙げると、大きさや犬種によってケージの大きさが定められており、リードにつなぐ場合の長さに規定があったり、外気温が21度を超える際は、車の中に犬を置き去りにしてはいけないことなども法令化されています。仮にこれらのルールが守られていない場合、即警察による取り締まりの対象となるわけです。ちなみに公共のバスや地下鉄なども、子供料金を払えば同乗できるようです。

また、ティアハイムといわれる保護施設の名称を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。施設に引き取られた動物のおよそ9割が、里親によって新しい家族として迎え入れられており、国規模で殺処分0を実現しているその要因を伺い知ることができます。現在では保護団体が700を超え、およそ500ものシェルター施設があり、90万人近いメンバーが活動しているようです。平成28年度の日本国における犬猫殺処分数は55,998頭、そのうち幼齢個体は31,597頭 (環境省)

【フランス】
フランスでは1850年に「グラモン法」によって、動物虐待を処罰する法律を制定しています。さらに1976年には、「全ての動物は感受性を有する存在であり、所有者は、それぞれの種の生物学的必要性に適合した条件下に置かなければならない」と定められました。

これらの国々では、その他にもマイクロチップの義務化やペットショップの認可制・店頭での生体販売の禁止など様々なルールが敷かれています。お金を出して購入する「商品・モノ」ではなく、ペットシェルターにて新たな家族として迎え入れることが一般化されているのです。

また、海外で機能してるアニマルポリス・アニマルレスキューの存在も注目すべき組織でしょう。24時間の緊急ダイアルも設置され、虐待取り締まり・救護支援・動物取扱施設への監査などの目的から動物警察が日々稼働しています。

国や地域だけでなく文化や宗教、時代背景など、人間と動物の関わり合いについては一概に比較することができない現状も理解できますが、それでいても日本が動物愛護において大きく遅れをとっているという事実はやはり明らかです。

かつての非暴力運動の指導者であり、インド独立の父として知られるマハトマ・ガンディーは、後世にこのような言葉を残しています。

「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」
"The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated."

改めて日本の現状・現実を知った今、私たちに必要なことはいったい何でしょう。それは、それぞれひとりひとりがこの問題に対し考え、意思を示すことから浮かび上がり、具体化していくのではないかと思います。


前述した動物愛護法改正への署名は下記から実施可能です。
※2018年2月10日締め切り
最後まで読んで下さり、有難うございました。
下記は啓発イベントを開催した際の関連記事です。
よろしければ合わせてお目通しください。




作品展「若葉たちの色彩」を終えて

作品展「若葉たちの色彩」、無事会期を終えることができました。最終日、搬出を終えて自宅に戻り、気がつくと上着を羽織ったまま朝を迎えていました。分かりやすいように張り詰めていたものが途切れ、いつの間にか眠っていたようです。

今回、展示最終日に対談という形でトークイベントを行わせていただきました。私にとって初めての経験です。これまでは、展示する作品について、私から何かをお話したり解説したりすることはほとんどありませんでした。それは、観てくださる方々の受け取り方を限定させてしまったり、作り手側さえも知りえない伸びしろを閉ざしてしまうことを懸念していたためです。

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それらのことを意識しつつ、取材先でのお話や普段制作を行うにあたって意識していることなど、拙い部分も多々みられたかと思いますが、皆さまの温かい雰囲気に助けられながら、私なりに丁寧にお話させていただくことができたように思います。いただいた言葉のひとつひとつや表情、笑みを浮かべながらもぽろぽろと涙をこぼされていた優しい方の姿まで、今も私の中でたしかな共振のようにして響いているのを感じます。

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イベント後の交流会なども含め、本当に貴重な勉強をさせていただきました。今回お力添えくださったすべての皆さまに、深く感謝申し上げたいと思います。有難うございました。

https://www.takuyakamei.com/
亀井拓